今回は、仕事のメールを紹介します。下記のメールは補助している教授から生徒に送って欲しいと依頼されたメールです。その教授は数年前に70歳で退職されましたが、教鞭歴が40年以上で、とても語義が豊富で、この教授からのメールを通して色々な表現を学ぶことができました。もう少し早く出会っていたらもっと一緒に働けたのに!と残念です。さて、このメールで注目して欲しいのは「慣れる」と言う表現です。
“Dear Students:
Here are the two statutory interpretation exercises that we will be working through next Wednesday.....If you’d like to familiarize yourself with the law relating to statutory interpretation before we meet on Wednesday, you could read pp. 361-374 of the casebook."
訳:これらは次の水曜日に取り組む2つの法律解釈の練習です。(中省略)水曜日の授業の前に法令の解釈に関する法律に慣れておきたい場合は、判例集の361−374ページを読んでおいて下さい。
この文章では慣れるを表すのにfamiliarize oneself withを使っています。ご存知のようにfamilyは家族と言う意味ですね。ですのでfamiliarize が慣れ親しませる、精通させる、と言うのは何となく納得出来ますね。ちょっと強引ですが(笑)。それがfamiliarize oneself withになると、~に慣れるという意味になります。
同様の意味の熟語には、become familiar with ~に慣れる、~を習熟する、があります。この二つは、ほぼ置き換え可能ですが、familiarize oneself with ~は独学で慣れることだけど、become familiar with ~は独学に限りません。
例)I became familiar with the material.
訳:私は、その資料を習熟した。
一方で、be 動詞を取り、be familiar with ~の形を取ると、~をよく知っている, ~に精通している、という意味に変わります。
例)I am familiar with the material.
訳:私は、その資料について熟知している。
familiarizeの類義語として~精通させる、の意味で使われるのは、 acquaint, accustom などの動詞があります。
acquaint oneself with のかたちを取ると、~に慣れる,~を習熟する、という意味になりfamiliarize oneself withと同じように内容を把握するという意味での慣れる、精通するという意味になります。
例)He took several days to acquaint himself with the facts of the case.
訳:彼はその事例の事実を習熟するのに数日を要した。
一方で、accustomの場合は実際に使ったり、経験を通して慣れるという意味になります。accustom oneself to+ 名詞/動名詞/代名詞、もしくは get accustomed to+ 名詞/動名詞/代名詞、のかたちを取ります。toの後に、動詞はこないので注意!
例)It took a while to accustom myself to working at night.
It took a while to get accustomed to working at night.
訳:夜勤に慣れるのに時間がかかった。
また、上記の表現はどちらかと言えばフォーマルな表現で、文章で使われます。
会話では、~慣れるの表現として、get used toがよく使われます。これは、実際に使ったり、経験を通して慣れる際に使われます。使用法としては、get used to + 名詞/動名詞/代名詞の形をとります。こちらもtoの後に、動詞はこないので注意!
例)I get used to living in Canada.
訳:私はカナダでの生活に慣れた。
また、get が、beに置き換えられた場合のbe used to ~は、~に慣れているという状態を表します。
例)I am used to living in Canada.
訳:私はカナダでの生活に慣れています。
- familiarize oneself with ~に慣れる、~を習熟する(独学で)
- become familiar with ~に慣れる、~を習熟する
- be familiar with ~をよく知っている, ~に精通している
- acquaint oneself with ~を習熟する, ~慣れる(独学で)
- accustom myself to~に慣れる(経験や使用を通して慣れる)
- get accustomed to~に慣れる(経験や使用を通して慣れる)
- get used to~に慣れる(経験や使用を通して慣れる)
- be used to~に慣れている
いかがでしたか。慣れるだけでも色々な表現がありますね。フォーマルな場面ととカジュアルな場面で上手く使い分けれるようになると良いですね。これを書いていて、退職した教授のことを思い出し懐かしくなりました。一番思い出すのは、70歳になっても凄く頭がさえていたことです。私も70歳になっても頭は現役でいられたらいいなあと思います。