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コロナで離婚が増加?

統計によると、カナダで2021年に離婚した人は、274万人です(カナダスタティスタ)。また、コロナ禍以降、離婚率は30%増えたそう。在宅ワークが増え、夫婦が一日中顔を合わせていると喧嘩も増るのかもしれませんね。家族とはいえ、やっぱり適度な距離が必要と感じます。では、カナダでは簡単に離婚できるのかというと、実は、日本より手続きが複雑です。日本では離婚届を出すだけで離婚が成立しますね。でも、カナダでは、基本的にまず一年以上別居をしていることが条件となります。一年を待たずに離婚申請する場合は、相手から精神的または肉体的な暴力を受けている、もしくはどちらか一方が浮気をしたことを証明する必要があります。そして、証拠を裁判所に提出する必要があり、相手が浮気している証拠を集め、弁護士と話し合ったりしているうちに1年位あっという間に過ぎてしまいます。なので、結局は早く離婚できても最低1年は必要です。

浮気しても不利にならない?

また、日本との決定的な違いは、No fault system といい、離婚において、どちらか一方が悪いという考えはありません。この制度のため、浮気をした方が、慰謝料を払う必要はありません。最初、これを聞いた時はびっくりしました。日本で育った私には道徳的にやはり納得できませんが、国が違うと柔軟になるしかないですね。また、財産分与の際には、収入が多い方が、収入が少ない方を援助する形になります。そのため、女性の方が収入が多い場合は、妻が夫にお金の援助をし、養育費を払うこともあります。

また、私の住んでいるブリティッシュコロンビア州では、夫婦のうちのどちらかが離婚前に1年以上同州に在住していなければなりません。また、離婚手続き中も継続して同州に住んでいる必要があります。

離婚は面倒なことだらけ

協議離婚の場合でも、多くの書類を準備する必要があります。例えば、離婚手続きを始めるに当たって、まずは下記の書類を用意しなければなりません。

  • 結婚証明書(Marriage Certificate)
  • 別居同意書(separation Agreement)
  • 扶養している子供がいる場合は、直近の課税通知書 (Notice of Assessment)

別居同意書は、財産分与や子供の養育費などについて詳しく話し合った後に、作成する必要があります。その後、裁判所に提出するための数多くの書類の準備が必要です。ブリティッシュコロンビア州の場合は、裁判所に下記の書類を提出することになります。

  1. Notice of Joint Family Claim:共同家族請求通知
  2. a Registration of Divorce Proceedings:離婚訴訟の登録(インターネットで登録できます)
  3. An Affidavit – Desk Order Divorce:宣誓供述書(離婚命令の下書き)
  4. A Child Support Affidavit:子供がいる場合、養育費の宣誓供述書
  5. A Requisition:申込書
  6. A Certificate of Pleadings:訴訟の証明書
  7. And a draft Final Order:最終命令の下書き

すべての書類に記入が終わった後、宣誓供述書にコミッショナーの前で、署名する必要があります。

そして、離婚は、裁判官が離婚命令に署名してから31日後に有効となります。

子供の親権

また、未成年の子供がいる場合は、もっと複雑になります。ブリティッシュコロンビア州では、両方の親が親権を半分づつもつことが多く、子供はそれに合わせて、週の半分づつをそれぞれの親の下で過ごすことが多いので、すごく複雑。なので子供がいる場合は、弁護士を通じて別居同意書を作成するのがいいでしょう。

ちなみに、今回このテーマを取り上げたのはNGOの団体を通じてボランティアで離婚の手続きを手伝っているのですが、書類が多くて全く法律の知識がないと厳しいと感じたからです。

 

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