マルチリンガルの子育てーカナダから

カナダ人は皆バイリンガル?

私が住んでいるカナダは、年に約25ー30万人(2000年-2020年、スタティスタより引用)の移民を受け入れ、移民で成り立っている国です。政府は移民後にカナダで仕事を見つけることができる人材を求めているため、移民申請の際には英語で仕事ができるレベルの英語力が問われます。そのためバンクーバーにはバイリンガルが溢れていて、多くの人が英語と母国語の2カ国語を話します。もちろん何十年とカナダに住んでいても母国語の方が得意でたどたとしい英語しか話せない人も多いのも事実です。私もカナダに移住してから16年たった今でも私にとっては英語は外国語です。自分の言いたいことが自由に言えたらいいなあと良く思います。

子供のバイリンガル教育

他国から移民して来た最初の世代をファーストジェネレーション(一世)と呼びます。そして、その子供達はセカンドジェネレーション(二世)になります。大抵の一世は自分の子供に母国語を教え、文化を受け継がせようとします。職場で会った友人には二世が多いのですが、多くの二世が「親の母国語の~語学校に通わされた」と言っているのを耳にします。二世がバイリンガルになるかどうかは、一世がどれくらい自分の母国語を受け継がせるのに熱心か、ということが大きな要素になっているようです。学校への送り迎えという仕事が増えますし。そのせいか、兄弟のうちの一番上の子だけバイリンガルということも結構多いです(笑)。

我が家のバイリンガル事情

カナダで生まれた息子は生まれた時からフランス語、英語、そして日本語の3カ国語に触れながら育っています。普段は、私と息子は英語と日本語、夫と息子はフランス語のみで話します。夫は英語圏のオタワ出身で、フランス語はネーティブではありませんが、オタワの人はフランス語圏のケベックと隣り合わせなのでフランス語のレベルが高い人が多いとのことです。現在6歳半の息子の3国語の能力ですが、得意な順位は、まずフランス語、次に英語、そして最後に日本語(残念ながら!)という感じです。息子のフランス語の能力がネーティブ並みになったのは夫のフランス語への執着心のおかげ(?)です。というのもバンクーバーは英語圏でフランス語圏から離れているので、バンクーバーで育ってフランス語が母国語になるというのは珍しい例なのです。また、息子は現在、フランカフォーン(フランス語が母国語の人)の親を持つフランス語で授業が行われる小学校に通っています。このフランス語の学校に入学できるのは片方の親が、フランス語を話せて、フランス語の義務教育を受けたなどの条件を満たさなければなりません。具体的には、一方の親が1)フランス語が母国語で現在でもフランス語を理解できること、2)カナダのフランス語の小学校に通っていたこと、3)子供の一人がカナダのフランス語の小学校もしくは中学校にに通っていた、または通っている、のどれか一つに当てはまる必要があります(厳密にいうとうちは当てはまっていませんが)。これとは別にフレンチイマージョンといって親のフランス語の能力に関係なく入学できるフランス語のクラスがあります。このクラスは公立の小学校に設置されていて、その学区に住んでいる子供は誰でも志願できるのですが競争率がすごく、選考はくじ引きで行われます。うちも残念ながらくじに当たらずこのクラスに入ることができませんでした。このクラスのある学校であれば、うちからも近いのですが。フランカフォーンの小学校は車で片道40分。幸いにもスクールバスが出ているため、息子は往復1時間10分バスに揺られて学校に通っています。

息子は大の本好き

息子は現在1年生ですが、本が好きで、一日のうち1-2時間は一人でフランス語の本を読んでいます。トイレに座って読むのが好きなので凄く迷惑ですが。最近は10-11歳向けの本を読んでいます。でも最近、あまりにもフランス語に偏ってきたので英語力を上げるために対策を考えています。同年代の子と比べると、英語の読み書きの能力はあまり変わらないのですが、話すと6歳なのにかなりたどたどしい感じです。夫は、「英語とフランス語は似ているのですぐに追いつくよ。」と軽く流されますが。非ネイティブの私が聞いても文法がおかしいです。日本語は、ひらがな、カタカナの読み書きができ、少しの漢字を覚えています。こちらは話すともっとたどたどしいです。ネーティブの同年代の子と比較すると、フランス語100%、英語80%、日本語50%(大目に見て)でしょうか。でも学校が再開されてから休憩時間はクラスメートとは英語で話すので一年後には比率が変わっているかもしれません。今後もまた様子を見てアップデートします!